発車の時刻 《平成27年11月下旬》 |
残念ながら今月も新作(新規撮影作品)の御紹介が出来ない見通しになって参りました。 発売当初、十一月にもなれば市況は落ち着くのではないかと思っていたD850。 ところが十月末に、相変わらずの逼迫状況だと、ニコンより再度の発表がされてがっかり・・・ どうやら、今回の改良で備わった新たな魅力が、先代までの、主に三脚に据えてじっくり撮る中級者以上の限られた客層から、手持ちで細かな画角はトリミングで対応するような、「大は小を兼ねる」的な初心者をも虜にしてしまった様で、個人的には悲喜こもごもの、何とも言えぬ脱力感に苛まれています。 という事で、最近機材を一新して再び稼働できるような状態に戻した中型プリンター(EPSON SC-PX3V)で、今まで撮りためてきた作品の印刷に没頭しております。 モニターもそれなりの物を使用しているのですが、印刷してみるとイメージが随分と違っていたりする作品もあり、併せて色調の再編集にも取り組んでおりまして、当サイトの画像も随時最新のものに変更していますので、実はほぼ毎日どこかの画像が切り替わっていたりもします。 今作は、先月に引き続き二年前の撮影。 それまであまり撮影の対象にはしていなかった鋼索線、いわゆる”ケーブルカー”にも興味を抱き、二週続けて、割引切符を使って周遊してきた時のものです。 考えてみれば、わたくしの主だった興味の対象は”鉄路”、どうやら二本のレールの上を鉄車輪で移動する”交通機関”の様です。 故に、モノレールや「ユリカモメ」のようなゴムタイヤの軌条鉄道には魅力を感じません。 乗り心地も悪いしねぇ・・・ 反面矛盾するのですが、連絡船やトロリーバスには、哀愁や旅情があるようで大変気になる存在。 そう考えると、近頃流行の豪華クルーズ列車(団体周遊列車)に全く興味を抱かないのは、それらは純然たる鉄路の列車ではあるものの、遊園地の乗り物然とした側面ばかりが感じられ、その両感情ともに欠落しているから。 ほとんど脱線しましたが、選んだ作品のような、鉄道員や利用客などの情景が入り込んだ撮影も好きなのです。 ここでも、”鉄道カメラマン”とは、その抱く感情が違うのではないかと思っています。 良し悪しは別として、わたくしの視点は鉄道そのものには無く、鉄道に介在する旅情や日常などを感じてレンズを向けているのです。 そして、そこで切り撮られた写真こそが、真の”鉄道風景”写真だと信ずるところです。 早期に機材入手できた場合には、通常の「季節の一枚」をお届けしたいと思います。 |